長尾式新鍼法
まずは『神経障害論』について言及すると、神経細胞といえども生きた細胞から成 りたっています。その細胞の形状は核のある細胞体とその周りの細胞膜がちょうど樹木 の枝の様にとびだしている樹状突起と1本の長く延びた軸索で成り立ち、その軸索の周 りにはその支持のためのシュワン細胞が包み込んで他の組織と直接接することがないよ うにしているので電気的絶縁が保たれるため正常な神経の電気的伝達が可能となってい る。長く伸びた軸索とその周囲の絶縁のためのシュワン細胞を合わせて神経線維といい ます。神経細胞は夫々神経線維と次の樹状突起と連結してそれぞれ独自の神経組織とな っている。神経系の組織は生命維持のために非常に重要な組織であるにもかかわらず他 の組織と比べてそれ自体非常に柔らかいのでその集合体である中枢の脳・脊髄は非常に 硬い組織である頭蓋骨や背骨の後部にあいたあなの連続がかたちずくるトンネル状の脊柱 管と、夫々の骨群の内側の硬膜とそれに囲まれた内部に充填されたクッションとも言うべき 脳脊髄液のなかに浮遊する状態で保護されているが夫々の目的の各組織とつながるため にその保護されている頭蓋骨や脊柱管を神経鞘につつまれただけのむきだしの神経線維 の形状で出なければならなくなる。 ![]() その神経線維は夫々それを取り囲む筋肉の間を通って各組織と連結している。その最終 点を終板といい求心性の知覚神経の終板で夫々の組織の知覚領域の状態を感じ取って中 枢である脳へと情報を送り、脳からはそれに応じた各組織の知覚領域への命令が下るの である。しかしその神経線維がその走行上でそれを取り囲む『筋肉の凝り』によって圧 迫締め付けが なされるや生きた細胞である神経線維も栄養失調を起こし正しい情報を 伝達できなくなってしまう。 それが末梢から中枢への求心性の知覚神経であれば「痛み」や「痺れ」が、中枢から末 梢への遠心性の運動神経であれば「運動失調」が、中枢・末梢間を遠求両方向へ伝達す る自律神経であれば「各臓器・血管の失調」が、愁訴・病気として発現する。根本的原 因である神経線維の被締め付け部位では何らの愁訴が感じられずその先端の終板の知覚 領域のみで感じられるのであるが、その先端部位では異常はなくまったく正常そのもの である。神経線維の被締め付け部位周辺の『筋肉 の凝り』が原因であるのにその部位 のアドレスが脳にないことが原因である。 そこで愁訴・病気の原因である神経線維の走行上でもっとも締め付けられる部位の 『筋肉の凝り』を除去することこそが愁訴・病気の解決になる。それではどこが神経走 行上で一番締め付けられるかといえば二足歩行する人間は就寝時以外は脊柱直側の筋肉 (脊柱起立筋群)が常に姿勢維持のために緊張を強いられているにもかかわらず手・足 の筋群のように大きな動きがないため循環器系の還流(筋ポンプ作用という)が期待で きず疲労を起こしやすい、すなわち『凝り』が発生しやすいのである。したがって『脊 柱起立筋群の凝り』の除去こそが愁訴・病気の解決につながる。 次に『リンパ還流障害論』について言及すると、『筋肉の凝り』により神経線維だけ が締め 付けを受けるのではなくて動静脈血管もリンパ管も同様な締め付けをうけるの で血行障害やリンパ還流障害も発生する。血管が締め付けられると動脈であれば各組織 への 酸素・栄養の供給が阻害され、静脈であれば発生した炭酸ガスや老廃物の滞留を まねき更なる『筋肉の凝り』が増長されることになる、またリンパ管が締め付けられれ ば各血管から 浸出し外敵と戦うリンパ液も心臓への『還流が阻害』されることにな る。 頚部は頭や上肢への分岐点となっているので『脳脊髄液やリンパ液の還流障害』により 頭内部や上肢のむくみが発 生するためさらなる神経線維の締め付けが起こり神経系の 正常な働きがより阻害されてしまう、特 に頚部の『筋群の凝り』をとってやることに より脳内でのみ往復している視神経伝達(網膜〜視床交叉〜後頭葉視神経中枢)が正常 におこなわれるので、 視野欠損や視力の回復が見られたり、眼の奥が明るくなったり、瞼のスベリが良くなっ たり、目頭や目尻がすっきりしてくる現象は『脳脊髄液・リンパ液の心臓への還流』が はかられ視神経の圧迫障害がとかれたことのあらわれである。 腰部は骨盤内臓器や下肢への神経線維の分岐点となっているので『腰椎直側の筋群や腰 部筋群の凝り』により腰椎から出たところやその走行上で神経線維が締め付けられるの で各神経の終盤のある組織、腰臀部からふともも・足に至るまでの組織での愁訴・病気 が発現するのである。 長尾式新鍼法には別に『一本鍼』があります。夫々特定の疾患に対する大変劇的な改 善をみる鍼です。医道の日本社ビデオ「新鍼法の1本鍼」および月刊誌「医道の日本」 に平成10年7月より平成16年7月現在まで計23回に渡って掲載された新鍼法シリー ズの内容及び長尾式新鍼法研究会での症例報告を整理して、以下に表示します。
など恩師長尾正人先生の発見された鍼だけでなく、長尾式新鍼法研究会の方々からもフ レッシュな報告がはいってきています。
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